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2008年 05月 16日 ( 1 )

景気刺激策としての税還付

食いしん坊ネタの多いこのブログでも、たまには真面目ネタを1つ。

景気刺激策としてブッシュ政権が1月に発表し、2月に成立した法律に基づく税還付(Economic Stimulus Payment)が、今月から始まりました。実際の還付は、内国歳入庁(Internal Revenue Service / IRS)という税務当局が行うのですが、一部の報道(例えばこちら)によれば、IRSは昨日(15日)、支払事務を間違ってしまっていることを認めたそうです。どうやら、受け取る権利のない15,000人に還付してしまう一方、35万もの家庭に本来よりも少ない金額を還付してしまったとか。あぁぁぁぁ。。。
1月に構想が発表された際に、(事実として)事務処理を得意としない米国で、通常の確定申告の処理に加えて、還付金を各個人・家庭宛に送るなんて、本当にできるのかしら、と疑問に思っていたのですが、まさにそれが的中してしまいました。

この税還付、景気刺激策として効果があるのかetc、これまでもいろいろ論じられてきて、中低所得者は消費に回すんじゃないか、との意見もあったようですが、今週メリルリンチのエコノミストが「効果は限定的」とコメントしたそうです(こちら)。生活実感としても、ここまで景気が悪くなってしまってからお金を受け取っても、消費に回そうという心理はあまり働かないような印象があります。

それはさておき、そもそもこの税還付、ブッシュ政権では2001年に続き2回目なのですが、どんな制度なの、というところをご紹介したいと思います。
(なお、以下はイメージをつかんで頂く為に単純化して書いていますので、細かい点は捨象している点、お含みおき下さい。)

対象者
原則として、4月15日までに2007年分の確定申告をした「居住者」が対象。確定申告上、誰かの被扶養者(dependent)となっている人や、「非居住者」、社会保障番号(Social Security Number / SSN)を持っていない人は、対象外。
ここにいう「居住者」とは、税法上の定義に基づく分類で、単に「いま住んでます!」というだけではダメで、過去一定の年数のうちある程度以上の日数を米国に住んでいることが必要です。端的にいうと、1年や2年の留学のために米国に滞在している人は、たとえSSNを持っていても、原則として対象外。

還付金額
納税者1人当たり300ドル~600ドル。2007年末時点で17歳になっていない子供については、子供1人当たり300ドル追加されます。
ただし、調整年収(給与や利子等の収入から、一定の授業料や学生ローン利子等を控除したもの)が75,000ドルを超える高額所得者は、超えた金額の5%分、還付金が減額されます。例えば、年収が80,000ドルの場合、(80,000-75,000)×5% = 250ドル、減額。
例えば、両親と小学生の子供2人の家庭には、最高で1,800ドル(約18万円)還付されます。
具体的な還付金額の試算は、こちらでどうぞ。

還付方法
小切手の郵送か銀行口座への入金になります。そのどちらになるかは、2007年確定申告書上、通常の税金の還付金を受け取る方法として指定した方法によります。
還付の時期は、SSNの下2桁を基準にグループ分けされ、郵送は7月11日までに、銀行口座への入金は5月16日までに、行われる予定です(詳細はこちら

ひとこと
さてさて、還付金を受け取った方々は、どれだけ消費行動を変えるのでしょうか。ガソリンも農作物も、いろいろと価格が上がっている中で、ただでさえ生活が圧迫されているであろう低中所得層が贅沢をするとはあまり思えないのですが・・・。Walmartの4-6月の売り上げなど、今後のニュースに要注目です。

by smthng-new-evrydy | 2008-05-16 19:53 | まじめなお話