人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ドライ・ジン

アルコールの風味が好きな私は、日本では主に日本酒、米国に来てからはワインやビールを頂いていますが、最近、ドライ・ジンに進出! このアルコール度50%近いお酒の、のどを熱くする感じがたまらなくて、お夕飯を作りながら & お食事とともにちびちびと。最初に購入したジンが残り少なくなってきたので、2本目に違う銘柄をゲット。当たり前のことですが、同じジンというお酒でも、全く風味も味も違うんです!ビールやワイン、日本酒が、銘柄によって異なるのと同じなんですけどね。

そこで今日は、そもそもジンって何?ってところに始まり、私が最近味わった2つのドライ・ジンについて、レポートします♪

ジンとは
ドライ・ジン_b0123441_6293291.jpgジン(gin)とは、大麦、ライ麦、ジャガイモなどを原料とした、無色透明の蒸留酒。ジュニパーベリー(ねずの松かさ)によって香り付けされているのが特徴的。
(写真はジュニパーベリー。 http://student.britannica.com/eb/art/print?id=6178&articleTypeId=0 より転載)

ジンの起源は、1600年代にオランダで薬としてお医者さんによって初めて作られた「ジェネヴァ(genever)」。これは、名誉革命によりオランダの貴族オレンジ公ウィリアムが国王に即位した際(1689年)にイングランドに持ち込まれ、さらにスペイン継承戦争(1701年~1714年)時に同盟国オランダに送られた援軍が持ち帰ったことでイングランドに広まり、時を経て「ジン(gin)」と呼ばれるように。
現在一般的なジンは、草根木皮の香料成分を加えたもので、ドライ・ジン(dry gin)またはロンドン・ドライ・ジン(London dry gin)と呼ばれています。独特の香りを楽しめるさっぱりとしたお酒。ジェネヴァも現在でも飲まれいるそうです。こちらは、重みがあるフルボディでモルト風味。

タンカレー(Tanqueray) 
1) 概要ドライ・ジン_b0123441_23492267.jpg
英国で製造されているジンのブランド名。1830年に製造開始。ケネディ元大統領や、フランク・シナトラに愛された銘柄として有名。毎年のように、Gold MedalやSilver Medalを授与されています(詳細はこちら)。
ジュニパーベリーの選別は厳しく、500のうち20しか選別基準をクリアしないとか。

2) タンカレーの蒸留方法(タンカレーのHPより)
① 穀物を挽いて水と合わせ、さらに酵母を加えて麦芽糖(maltose)を作る。そして、イーストを添加。
② 3段階の蒸留を連続して休みなく行う(連続蒸留法)。まず蒸気を使って①を沸騰させ、アルコール成分だけ取り出す。次に、水と上記を加えて濃度を薄める。これを精製(purification)という。その後、再び蒸気を使い水分を飛ばして濃度を上げ、中性の穀物アルコールを作る。これを調整(rectification)という。
③ 最後に4段階目の蒸留を行う。銅の蒸留器にて②を気化させ、植物性香料(botanicals。コリアンダー、アンゼリカの根、ジュニパーベリー等)により香り付けをする。

ボンベイ・サファイア(Bombay Sapphire)
1) 概要ドライ・ジン_b0123441_23491274.jpg
世界最大のラム酒ブランド、バカルディ社(本社:バミューダ諸島)の子会社、ボンベイ・スピリッツ社がイギリスのチェンシャー州で製造しているジンのブランド名。1987年から販売。
原材料は、スコットランド産の穀物、英国ウェールズのヴェルヌイ湖(Lake Vyrnwy)の水、10種類の植物性香料(アーモンド、レモンピール、カンゾウ(甘草、liquorice)、ジュニパー・ベリー、ニオイショウブの根茎(orris root)、アンゼリカ、コリアンダー、カッシア(cassia)、クベバ(cubeb)、グレインズ・オブ・パラダイス(*))。この選別と配合は、1761年に遡るレシピに基づいているそう。
(*)こしょう、ラベンダー、チョコレート、オレンジなどを組み合わせたもの。

2) 蒸留方法
① 3度の連続蒸留を行い、中性の穀物アルコールを作る。
② これを加熱して気化させ、世界に4機しかないカーターヘッド・スチル蒸留機を用いて、純粋なスピリッツだけを採取。この蒸気を10種類のBotanicalsを入れた銅製バスケットに通し、香りを吸収させる。このように、蒸気を香料に通す方法をヴェーパー・インフュージョン製法(vapor infusion)という(通常は、香料をアルコールに混ぜてから蒸留)。
③ 最後に受け口から出てくる液体をお水とブレンドして瓶詰。

つれづれドライ・ジン_b0123441_2354418.jpg
- 製法や植物性香料の選び方により、全く違う香りのお酒ができるわけですね。
 上の記載は、各HPを主要な情報源としたものなのですが、蒸留方法については、1)押さえているプロセスの範囲が若干違うような気がする、2)タンカレーの製法もvapor infusionのように思えるが、そういう記載を見つけられない、の2点が未解決点です。ご存知の方、教えて頂けると嬉しいです & 自分でも気長に調べてみます。

- 香り付け    タンカレーの方がオーソドックスだそうですが、私は、ボンベイ・サファイアの香りつけの方が好きです。というのは、タンカレーはかなり香りが強く、時に「薬品」的な感じがするため。ただ、ある人のレビューでは、カクテルを作ると、とたんにこの個性が隠れるそう。タンカレーはカクテル向き、ボンベイ・サファイアはストレート向き、という意見も聞きます。
- お値段     どちらも750ml入りで20ドル前半。1本で何日も持つので、お財布に優しい、気軽に楽しめるお酒ですね。飲み過ぎは禁物ですが、アルコール度が強くても翌日に残りません。蒸留酒ゆえかな?
- 他の銘柄   タンカレーは、No.Tenという、200年の伝統的製法を踏襲して製造された、生のジュニパー・ベリーを使ったジンも販売。フレッシュな香気に満ちているそうです。また、Beefeaterという、いかにもロンドン!な絵柄の銘柄もあります。2つとも近いうちに試してみようと思っています♪

by smthng-new-evrydy | 2008-05-21 23:31 | グルメ